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自分の店舗にしたいという理由で契約終了できるか

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駅前にビルを所有しており、1階で自分の店を営業し、2階から上を人に貸しています。

自分の店が繁盛しているので、2階の契約を期間満了とともに終了させて、自分の店舗として使いたいと考えています。契約を終了して、明け渡してもらうことは可能でしょうか。

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貸主がその建物で営業しなければ生活が成り立たなくなるという場合には、立退料を提供せずに正当事由が認められる可能性が高いでしょう。

貸主にとって営業が生活以上の経済活動のためであれば、借主の必要性と比較し、必要性が同程度の場合には、立退料を提供することにより、正当事由が認められやすくなるでしょう。

貸主が、専ら収益を維持・拡大させる目的で立ち退きを求めている場合には、正当事由は認められにくいでしょう。

まずは借主に更新拒否の通知をする

更新が予定されている普通借家契約において、貸主が期間満了により賃貸借契約を終了させるためには、期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主に対し、更新拒絶の通知または条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなければなりません(借地借家法26条)。

この通知をしない場合には、契約は前と同じ条件で自動的に更新されますから、契約を終了させたい貸主は、更新拒絶の通知を「配達証明付きの内容証明郵便」で行っておく必要があります。

さらに、期間満了をもって契約を終了させるためには、正当事由があると認められなければいけません(借地借家法26条1項)。

質問の事案では、営業目的で店舗の明け渡しを求めていますが、貸主が営業上の必要性を理由に契約を終了させることに正当事由が認められるかどうかが問題となるでしょう。

この点については、貸主の状況に応じてケース別に検討することが必要です。

貸主にとって営業がどの程度大切か?

そもそも貸主がその建物で営業しなければ生活が成り立たなくなるという場合には、貸主の自己使用の必要性が高いことは明らかです。

このような場合、貸主が自分の生活が成り立たないという犠牲を払ってまで借主を営業させなければならない理由はありません。したがって、立退料を提供せずに正当事由が認められる可能性が高いといえます。

しかし、貸主にとって営業が生活以上の経済活動のためであれば、借主の必要性と比較することになります。

必要性が同程度の場合には、借主が立ち退くことによって生じる損失を立退料の支払いでまかなえば、正当事由が認められやすくなるでしょう。

ただし、貸主が生計のためではなく、収益を維持・拡大させる目的で立ち退きを求めている場合には、貸主にとっての建物の必要性はそれほど高くないと考えられます。なぜなら、貸主がどうしても、その場所で営業をしなければならない理由がないからです。したがって、正当事由は認められにくいでしょう。

この場合、もし借主側の営業の必要性のほうが高ければ、たとえ貸主側から立退料の提供があっても、正当事由は満たされず、明け渡しはできないものと思われます(同趣旨の判例として水戸地裁/昭和51年4月20日判決)。

なお、期間満了時に貸主がやむを得ない理由で更新を拒否しても、借主が依然として建物を使用し続けている場合には、貸主がすぐに異議を唱えなければ契約が更新されてしまいますので、注意が必要です。